金の価値

金のジュエリーの地金価値(溶解価値)の計算方法:金位別・1グラムあたり

地金価値とは、品物に含まれる純金の値段のことです。グラム単位の重さ、品位(純度)、その日の金価格という3つの数字があれば自分で計算できます。計算式、金位別の表、価格の調べ方、手持ちのジュエリーで試せる計算例を紹介します。

木のテーブルの上で、小さなデジタルジュエリースケールと電卓の横に置かれた金の指輪とチェーン。
このガイドのために作成したイメージ画像です。

結論から言うと

地金価値=グラム単位の重さ×品位×純金1グラムの価格。品位は合金に含まれる純金の割合で、14Kなら0.585、18Kなら0.750です。1グラムあたりの価格は、1トロイオンスあたりのスポット価格を31.1035で割って求めます。

この数字は含まれている金の価値だけです。石、加工、ブランド、状態は含まれず、買取業者が支払う金額でもありません。業者は精錬費や利益を差し引くため、地金価値の一定割合で買い取ります。金価格は取引日ごとに変わるので、計算する日に必ず確認しましょう。

計算式をステップごとに

自分で計算しても、質屋や精錬業者が計算しても、手順は同じです。

  • 品物の重さをグラムで量ります。スケールがトロイオンスやペニーウェイト表示なら換算します(1トロイオンス=31.1035g、1ペニーウェイト(dwt)=1.5552g)。
  • 刻印から品位を確認します(417または10K=0.417、585または14K=0.585、750または18K=0.750)。
  • 重さに品位を掛けて、純金のグラム数を出します。
  • 当日の1トロイオンスあたりの金価格を調べ、31.1035で割って純金1グラムの価格を出します。
  • 純金のグラム数に1グラムの価格を掛けます。これが地金価値です。

金位別の品位

カラット(K)は金を24分率で、品位は千分率で表します。ジュエリーにはどちらかが刻印されていることが多く、日本ではK18やK14の表記がよく見られます。計算でよく使う値は次のとおりです。 古い品や輸入品には別の数字が使われていることもあります。たとえばソ連時代のジュエリーでは14Kを583、南アジアの金では22Kを916と表します。標準的な数字を思い込まず、実際に刻まれた数字を読みましょう。

  • 9K=375=金37.5%
  • 10K=417=金41.7%
  • 14K=585=金58.5%
  • 18K=750=金75.0%
  • 21K=875=金87.5%
  • 22K=916=金91.6%
  • 24K=999=金99.9%

今日の金価格の調べ方

スポット金価格は1トロイオンスあたりの米ドルで表示され、市場が開いている間は一日中変動します。すぐに数字を知りたいときは、Kitcoなどの無料ページで現在の1オンスあたり、多くの場合1グラムあたりの価格を確認できます。ロンドンで営業日ごとに2回決まるLBMA金価格は、多くの業者や契約が基準にする指標で、LBMAがその公表先を案内しています。

使った価格、時刻、通貨をメモしておきましょう。円で考える場合は、円建ての価格を表示するページを使うか、ドル建ての価格をその日の為替レートで換算します。価格は動くので、地金価値はジュエリーの固定した性質ではなく、ある瞬間のスナップショットです。買取額を比べるときに改めて計算し直しましょう。

正しく量る

重さは自分で管理できる数字なので、正確に量りましょう。0.01g単位で量れる小型のデジタルジュエリースケールが理想で、1g単位のキッチンスケールでは3gの指輪には粗すぎます。ゼロ点を合わせ、品物を中央に置き、2回量ります。 スケールの単位を切り替えられる場合は、始める前にグラムに設定し、公表されている重さを調べられる物でときどき確認しましょう。安価なスケールは電池が弱るとずれてきます。

チェーンやブレスレットは思ったより重く、指輪は思ったより軽いものです。中空チェーンやふくらんだハートは重そうに見えても軽いので、見た目で推測するより量るほうが確実です。石が付いている場合もそのまま量り、石の重さが含まれていることをメモしておきます(後述)。

計算例

計算をわかりやすくするため、ここでは純金1グラム=100ドルという切りのよい仮の価格を使います。今日の価格ではありませんので、調べた価格に置き換えてください。

14Kのチェーン10.0g:10.0×0.585=純金5.85g、5.85×100ドル=地金価値585ドル。

18Kの指輪4.2g:4.2×0.750=純金3.15g、3.15×100ドル=315ドル。

10Kのカレッジリング12.5g:12.5×0.417=純金5.21g、5.21×100ドル=521ドル。

実際の価格で計算するには、1トロイオンスあたりのスポット価格を31.1035で割ります。仮に1オンス3,110.35ドルなら純金1グラムは100ドルになり、上の例はこの数字から選んでいます。

地金価値と買取額の違い

金を溶かす買取業者は、検査、精錬、再販売をしなければならないため、提示額は地金価値を下回ります。どれだけ下回るかは、質屋、宝石店、郵送買取、精錬業者などで大きく異なり、品物や量によっても変わります。地金価値を知っていれば、提示額がその何割にあたるかがわかります。

複数の見積もりを取り、各業者に記録した品位と重さを確認して、自分の数字と比べましょう。ペニーウェイトなど別の単位で量っている場合は、換算してから比べます。業者の重さと自分の重さに大きな差があれば、丁寧に質問してみる価値があります。 また、見積もりが一定期間固定されるのか、それとも品物が届いた時点や検査した時点の金価格で決まるのかも確認しましょう。郵送買取では、荷物の輸送中に相場が動くと提示額が変わることがあります。

地金計算に含まれないもの

地金価値は最低ラインであって、総合的な評価ではありません。品物を金属以上の価値にしうる次の要素は、あえて含めていません。 サイン入りの品、古い品、大きめの石が付いた品は、スクラップとして売ることを考える前に、独立した鑑定士や宝石店に見てもらいましょう。一度溶かしてしまうと、その付加価値は永久に失われます。

  • 別に評価されるダイヤモンドや宝石(溶かす前に外すか差し引くべきもの)。
  • デザイナー、ブランド、メーカーの価値(有名メゾンのサイン入り品など)。
  • アンティークや時代の価値、職人技、希少性。
  • 完成品としての状態や再販需要。
  • 金以外の部品:留め具の鋼製ばね、ろう付け、エナメル、重さは増えても金ではない他の金属。

よくある間違い

自宅での計算を狂わせやすい間違いは次のとおりです。

  • 31.1035gのトロイオンスではなく、28.35gの通常のオンスの価格を使う。
  • 14Kを純金として扱う、または14/24=0.583を使って585で計算した結果とのわずかな差に戸惑う。
  • 精度の低いキッチンスケールで量る。
  • 石の重さを金として数える。
  • 前日の価格や別の通貨の価格を使う。
  • 刻印が中身を保証すると思い込む。GP、GF、HGEの品は金がごくわずかで、刻印そのものが誤っている場合もあります。

CaratAIの役立て方

計算の前に、品物がおそらく何なのかを知る必要があります。CaratAIでは品物と刻印を撮影して、考えられる金属と品位の見立てを得られるので、計算ツールにどの数字を入れればよいか、どの品を専門家に検査してもらうべきかがわかります。

あとはこのサイトの無料の「金の地金価値計算ツール」が計算してくれます。どちらも目安であり、試金石・酸テスト、蛍光X線分析、灰吹法による分析、鑑定、買取業者の書面での見積もりの代わりにはなりません。

よくある質問

14金は1グラムいくらですか?現在の純金1グラムの価格に0.585を掛けます。価格は毎日変わるので、その日に確認しましょう。

なぜ買取額は自分で計算した地金価値より低いのですか?業者は検査、精錬、利益の分を差し引いて支払います。複数の書面見積もりを比べましょう。

トロイオンスと通常のオンス、どちらを使いますか?トロイオンスです。金は1トロイオンス=31.1035gあたりで値付けされます。

ホワイトゴールドやピンクゴールドだと計算は変わりますか?変わりません。色は他の金属によるもので、14Kならホワイト、イエロー、ピンクのいずれも金58.5%です。

金めっきのジュエリーの地金価値は計算できますか?意味のある計算にはなりません。金めっき品は薄い金の層しかないため、地金価値はほぼゼロです。

出典・参考資料